สหายโม่งไปดำลงก้นสมุทรกันเอาเองละกัน ขี้เกียจแปลว่ะ
オーバーロード 隠し番外編
腱鞘炎だと知って心配してくれた方、ありがとー
これは腱鞘炎を心配してくれた方への感想返しです。
注意。アインズが壊れてます。冗談が結構含まれてます。多分一ヵ月後とかにあるかもしれない話です。
夜半過ぎた遅い時間帯だが、アインズの部屋には煌々とした光が灯っていた。そしてその光の下、アインズは黙々と働いていた。それはアンデッドであるアインズは睡眠というものを必要とはしないためだ。そして何より疲労というものが無いため、幾らでも仕事をこなせるという事でもある。
そんな室内にいるのは、アインズを除けばあとは戦闘メイドである、ユリ・アルファ、シーゼットニイイチニイハチ(シズ)・デルタ、ソリュシャン・イプシロンというこれまた睡眠を不用とする者たちだ。
部屋にあった豪華な机の上に、幾枚かの用紙を広げ、それらをアインズは眺める。アウラから回ってきた、ナザリック外の避難所作成に係わる様々な資料だ。
「ふむ……」
アウラに任せた計画の遂行率は非常に高く、順調に物事は進んでいる。現在では箱の外の部分はほぼ完成したという状況だ。
これから、あとはどれだけの要塞化を進めるか。どれぐらい内装にこだわるかなどの中の部分に取り掛かる必要がある。
そうなると宝物庫を開いて金銭を取り出し、色々と買い集める必要があるだろう。それとも宝物庫のデータクリスタルを取り出して、家具を自作した方が良いか。
迷ったアインズは、報告書から目を離して、中空を睨む。
要塞化を重視するべきか、避難所での生活を重視すべきか。せっかく作るのだから、両方を兼ね備えた別荘を作りたいものだ。
アインズはそう考える。そうなるとデミウルゴスやセバスという人物の知恵を借りる必要が出てくるだろう。しかしながらデミウルゴスは現在ナザリックにはいない。ならばこの場合はまずはセバスの調度品関係の意見を聞くべきだろう。
しかし遅い時間でもあり、セバスを呼びつけるには少々気が咎める。だから雑談程度の気分で、アインズは戦闘メイドの代表者でもあるユリに問いかけた。
「そういえば、セバスはどうした?」
「はい。今日は16日ですので、アーニアの部屋で寝ているかと」
するっとユリは答える。
その答えに含まれたアーニアという名前に聞き覚えがあったため、アインズは記憶を探る。そして思い出したのは一ヶ月前、王都で拾ってきた女の1人の名前だ。
アインズは僅かに笑った。
「……寝ているって何だ? あの女は1人では眠れないのか? 子供じゃあるまいし」
「――え?」
「まぁ、過酷な経験をしたからか? 1人では眠れないのも分からんでも無いな。もしなんであれば恐ろしい記憶は消してやっても良いのだがな」
寛大な口調でアインズはユリに笑いかける。アインズの魔法による記憶操作をもってすれば、1人で眠れるようになるだろうという優しさをもって。
しかしユリは僅かに顔を引きつらせた。それから――
「失礼します、アインズ様」
ペコリと頭を下げると、その場にいたメイドを全員アインズの部屋の隅に呼び集める。そしてぼそぼそと相談を始めた。
一体何事だ。アインズはそう思い、耳をそばだてる。
「もしかしてアインズ様ってご存じない?」
「アンデッドだからそういう知識は無いのかもしれない」
「ボクもアンデッドなんだけど?」
「…………ユリ姉。シャルティア様がいる」
「あの方は例外でしょ。あれはちょっと行き過ぎ」
「ではどうしますか?」
「まずはお尋ねしてみましょう」
「でも直接的に聞くのは、あまりにもあれじゃ……」
「では間接的に。――アインズ様」
「なんだ?」
ユリがアインズに伺うように、部屋の隅から声をかけた。
「人間の赤ちゃんってコウノトリが運んでくるんですよね?」
「……」
何を言ってるんだ。アインズはユリをそういう眼で見る。元々アインズは言うまでも無く人間だ、ちゃんと性教育は受けているし、実戦経験だってある。
しかしながらユリなりの冗談かと思い、アインズも同じように答えた。
「違うぞ。キャベツ畑で取れるんだ」
その答えを聞いたユリ、ソリュシャン。そして僅かにシズにすら、驚きのような表情が浮かんでいた。
「そ、そうでした。キャベツ畑でしたね……」
「間違えるなよ?」
「は、はい……」
その歯切れの悪い返答に、アインズは不安を抱く。
戦闘メイドってそんな知識も無いのか? そうアインズは僅かに困惑し、性教育をしないと不味いのか。そんなことまでも考え出してしまう。
教師役は誰を据えるか、流石に自分がやるのはイヤだな。そこまで考え始めたアインズはふと、あることを気付く。突然のユリにわけのわからない質問。
もしかして寝てるってそういう意味か?
この肉体になってから性欲というものはほぼ無くなった。そのためか、即座に気付くことができなかったのだ。さらに重ねてアインズは気付く。
「ちょっと待て? 『16日ですので、アーニアの部屋で』だと?」
その言葉に込められた意味は明白では無いか。アインズは王都で拾ってきた女の数を思い出す。確か全員で8人だ。
「……1つ聞こう。セバスの相手は……日替わりで8人か?」
「はい。そのはずです。明日はジャネット、明後日はバーバラ……。順番は滅多には変わらないと思いますが?」
「…………」
「アインズ様?」
押し黙ったアインズにユリは恐る恐る声をかける。
そして噴火が始まった。
「くそジジィ! 何、ハーレム作ってんだ! どーせ、8人同時とかやったんだろう! ちくしょうが!」
そこにあったのはぶっちゃけ嫉妬だ。性欲は無いし、アンデッドであるため大きな感情で動かされることも無い。しかしながらこの夜のアインズは違った。アンデッドだからといって妬ましいという気持ちまで完全に消えたわけではないのだ。
「セバスを呼べ! ガツンといってやる!」
「は! はい!」
慌ててユリが部屋から出て行く。
こうしてナザリックにハーレム禁止令が出たり、シャルティアが慌てたり、デミウルゴスの取り成しがあったり、アインズがしょんぼりしたりと、色々な出来事が起こるのだが、それはまさにどうで良い話である。